生活習慣病は、生活習慣に関連して発症したり、改善や増悪を認める疾患のことで、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などが挙げられます。
図1に示すとおり、これらの疾患は動脈硬化に深く関連しており、やがては心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など動脈硬化性疾患を引き起こすことがあります。
また、糖尿病では動脈硬化のほかに、細小血管が障害されることで発症する合併症(糖尿病性網膜症・腎症・末梢神経障害)があり、視力障害、慢性腎不全・透析導入、手足の痺れや痛みなど辛い状態に至ることがあります。
これらの合併症や先述の動脈硬化性疾患は、日常生活の活動性(ADL)や生活の質(QOL)を低下させてしまいますので、内科医としては可能な限りこのような状態にならないよう、生活習慣病を管理したいと考えています。(図2)
今回は触れませんでしたが、
●飲酒・喫煙 → 肺癌、食道癌、喉頭癌、舌癌など
●偏食・運動不足・カフェイン過剰摂取・喫煙 → 骨粗鬆症
なども生活習慣病に位置づけられます。
『健康になるために好きなことを完全にあきらめて生活する。』
こんなことは決してお勧めしません。自分の価値観に基づいて許容できる範囲で最大の努力をして生活習慣を変えたうえで、病態を管理できない部分を薬物療法で補うことが重要です。